『竜と勇者と配達人』7巻(2021年8月18日発売)のネタバレ感想です。
対立する役所と反社会組織の間で繰り広げられる外交&情報戦。そこに魔術組合のいざこざも絡み、状況はややこしくなるばかり。当然、争いの影響はハーフエルフの吉田が働く駅逓局にも及び……!? 名もなき仕事人たちの活躍を描くファンタジー物語、局長の悲しき過去まで明かされてしまう第7巻!
というわけで7巻発売中です。
— グレゴリウス■7巻発売中■山田 (@yamadieval) August 18, 2021
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第38話 騎士と従者と求人票
駅逓局に一期一会のメムナ(職業斡旋師Lv15)がやって来て局員達の適性診断をする。吉田の最適職は『盗賊』で二番目が『どじっこ使用人』。シゲルドは一番が『スライム使い』で二番が『お仕置き師』と診断される。
吉田が、シゲルドが吉田向けの求人案内を持っていることに気づく。世の中の情勢が不穏で配達人も危険に巻き込まれるかもしれず、シゲルドは吉田の身を案じていた。吉田は、騎士様がついているから大丈夫、と笑う。吉田はシゲルドが陰ながら吉田を助けていたことに気づいていた。
シゲルドが照れ隠しに腕を降ると、偶然『遠あて』が出て吉田の顔面に当たる。吉田はシゲルドを座らせて説教する。適性診断の結果は一部入れ替わっており、本当は吉田の二番目の適正が『お仕置き師』、シゲルドの二番目の適正が『どじっこ使用人』だった。
中世欧州こじつけコラム…転業のはなし
アイダツィヒ情報局資料
第39話 煙と水晶と配達人
八ツ目一家ら反社一派が、水晶の念話魔術による新しい通信装置を開発する。水晶アリクイを集めていたのはこのためだった。一定間隔に中継地点を設け、口頭で情報を伝達する。
一方、アイダツィヒ魔術組合は狼煙による通信装置を考案する。『烟る樽』を一定間隔に設置する。マニュアルさえあれば誰でも操作できるのが強み。組合長の幼きヴァールヴァーアは全魔術師の根絶が魔術による幸福の到達点だと考えていた。
駅逓局が魔術組合からの依頼で対反社通信網の囮作戦に駆り出される。配達員が運ぶ密書を、反社が水晶通信で先回りして狙ってくる。そこを組合が煙の通信でさらに先回りし敵を一網打尽にするという作戦だった。
中世欧州こじつけコラム…はとのはなし
その他オマケ
第40話 煙と水晶と配達人Ⅱ
作戦当日、吉田が護衛役のモルガとミキシンを伴って配達に出発する。今回の作戦は『樽』のデモンストレーションも兼ねているため、吉田たちは敵に襲われても「煙のおかげで来た援軍」に助けられるまで逃走も撃退も許されない厳しい内容だった。
反社が水晶で連絡を取り合い密書を狙う。水晶通信には「魔ぢからの消耗が激しい」という問題があり、出力低下により念波が弱まり聞き取り間違いが起こる。一方煙側も情報が複雑になると判読が追いつかない。双方混乱が拡大し、八ツ目は『イワシが暴落』、ポデスタは『教皇庁でイナゴが大人気』という情報を受け取る。
結局何も起こらず書状の配達は終わり、煙の情報通信網計画は見直しになる。
中世欧州こじつけコラム…煙のはなし
その他オマケ
第41話 魚と覆面と配達人
世間で情報混乱の余波が広がる。覆面やトイレ用の葉っぱ・ボロ布が高騰している。
冒険者組合でイノリエが瘴気に包まれる。水晶と煙の作戦の際イノリエは反社側に雇われており、情報が錯綜する中勘で吉田たちを見つけた。イノリエはそこで、吉田が自分の陰口を言うのを聞いてふさぎ込んでいた。ただし、実際は『うさみみアリクイ』について言ったものでイノリエを指したものではない。
シゲルドが吉田を伴い、各地の領主に世間の流言に惑わされないよう伝令して回る。最後にS卿の城に行くが、シゲルドが強気に出たことでS卿を怒らせてしまう。
中世欧州こじつけコラム…情報と通信
アイダツィヒ情報局資料
第42話 魚と覆面と配達人Ⅱ
シゲルドがS卿と戦闘する。S卿の戦闘レベルは45、シゲルドは元々レベル40程度だったという。S卿はシゲルドたちが「覆面を買い占めた上でイナゴを放つつもり」だと主張し話が噛み合わない。そのうち合法軍団が「城が覆面の取引現場になっている」と言って乗り込んできてS卿と戦いはじめ、シゲルドは吉田を連れて退散する。
シゲルドが城の外で八ツ目とすれ違う。互いに相手の素性を知らないが、八ツ目はシゲルドに向かって強力な魔術を放つ。シゲルドは、吉田を先に投げ飛ばした後攻撃で吹き飛ばされる。シゲルドは身動きできないほどのダメージを負ったもののなんとか一命をとりとめ、吉田に全力で街に逃げ帰るよう指示する。
後日、S卿の城に乗り込んだ合法軍団分隊が全滅したという知らせが届く。
その他オマケ
アイダツィヒ子どもかわらばん
第43話 駅と局長と配達人
長老が、局長が手紙に固執する理由を吉田たちに話す。
局長は都市貴族の次男で、30年前に戦争で敵に捕まった。局長は牢の中から妻に手紙を書き続けた。しかし、4年後に局長が脱走して故郷に戻ると妻は兄と寝ていた。
アイダツィヒ情報局資料
その他オマケ
第44話 駅と局長と配達人Ⅱ
局長が妻に書いた手紙は一通も届いておらず、そもそも捕虜になったことすら伝わっていなかった。局長の兄も『戦死した』弟のために未亡人に手を差し伸べただけで悪意があったわけではない。全ては、手紙が届かなかったのが悪い。局長はそう考え、以来郵便制度普及のためだけに人生を捧げてきた。
新しい駅の設立計画が大詰めになり、吉田が局長の新しい駅の視察に同行する。吉田はシゲルドを新しい駅=城の城主に推そうと画策していた。
第45話 駅と局長と配達人Ⅲ
新駅に向かう道中、局長は吉田に、現在の混沌の時代は秩序がもたらされた後世では『間世』と呼ばれるだろう、と語る。
交通局の人間になりすまして潜り込んでいたヤスミディアたち反社一派が局長を襲う。戦闘の中、吉田は『プチ駅逓拳』で局長を救う。
局長に、市でポデスタ弾劾の動きがあるという連絡が入る。
中世欧州こじつけコラム…訃報のはなし
巻末大河漫画「考証局が征く」
その他オマケ
あとがき
混沌陣営と秩序陣営の新開発通信がぶつかり合う(?)巻でした。水晶vs煙。今回も属人性と汎用性の戦いです。結果は、どちらも微妙…なことに。どちらも、高頻度だったり複雑だったりするやり取りには向かないようです。
今巻では世間の新型コロナ情勢に絡めた場面がありました。マスクやトイレットペーパーの品切れ、大変でしたね。作中では混乱の原因は水晶vs煙の時に広まった誤情報にあるみたいです。
シゲルドが本気で戦うシーンがありました。リハビリをサボって力を落としているはずですが、短時間なら現在でも戦闘レベル45のS卿を相手に渡り合うだけの実力はあるようです。そして、そのさらに上をいく八ツ目。超強力な個の究極系です。
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